開発インタビュー04 サウンド 並木学 | 三極ジャスティス

SPECIAL 特別企画

開発インタビュー04 サウンド 並木学

最も意識したのはやはり『ジャスティス』。なぜなら、ゲームミュージック=正義ですから…!

- 近未来の日本を舞台にした独特の世界観を持ったゲームです。制作にあたり、どういうふうに表現していったのでしょうか?

ケイブさんとは『怒首領蜂 最大往生』ぶりの、久々の恐悦至極コラボ!…というわけで本作も、これまで担当したSTGタイトルと同じスタンスやプロセスで臨んでいます。近未来・日本・内戦・少年少女・ロボ…といった、本作ならではの設定やビジュアルから喚起されるドラマに想像力を働かせて、まずはそれらを音楽から描くための基礎となりそうなメロディやフレーズを得るべく、スケッチを重ねました。『デススマイルズ』の時と同じく、井上淳哉さんの描く魅力的でありつつも説得力や牽引力に満ちたビジュアルからの情報を、自分なりに解釈することでスケッチに落としこみ、そこから個々のBGMの目的ごとに組み上げていく感じで。また、今回はメインテーマを含めて何曲か作らせてもらったんですが、すでに作られていたケイブサウンドチームの楽曲を参考にしつつも、似たり寄ったりな曲にならないように違った表現を心がけました。

- テーマ曲(起動時の画面の楽曲)について。内戦状態となった日本、少年少女が戦わないといけない状況、そういった現状への切なさ、やるせなさが感じられます。どういうところを意識して作られましたか?

まさに感じていただいたひとつひとつを表現しようと意識したので、伝わってうれしいです!が、実は制作時の要望に「レトロなマーチ風+シンセ」というのがあって、苦戦しました。というのも、「単に軍楽的なものに終わらせず、シンセの音を加えることで近未来感を演出してほしい」といった意図は理解できる一方で、実際にテーマ曲を書いてみるとどうも「シンセ」の部分がしっくり来なくて。「近未来、少年少女たちによる内戦状態の日本が舞台のテーマ曲って、シンセの音じゃなくね?」「このテーマ曲で、シンセでサイバーでテクノな感じとか、ちがくね?」…というわけで要望へ反旗を翻し、あえてシンセを避けて(笑)マーチ調にしたところ、そこはやはり「近未来感のためにシンセを加えてほしい」という返答が。で、抵抗がありつつシンセを追加したところさらに「シンセ成分をもっと入れて欲しい」と追い打ちが…。こうした攻防があって今の形となりました。個人的にいかにシンセ成分を少なくするか、が熱かったです(笑)。

- バトルの楽曲について。開戦前の高揚感というか意気込みを感じました。どういうところを意識して作られましたか?

バトル曲の指示は、都市部の夜間戦+ロボットでした。「スタイリッシュでハイテンションでノリノリの(ダンスチューン的な)※原文ママ」という指示内容にもとづき、どストレートに書いたつもりです。最も意識したのはやはり「ジャスティス」ですが、個人的には「ゲームミュージックらしさ」も意識しました。なぜなら、ゲームミュージック=正義ですから…!(満面の笑みで)

― 続けてタイトル画面の楽曲についてお伺いします。ケイブシューティングではあまり馴染みのないピアノアレンジは、とても新鮮に感じました。

「三勢力のボス同士が、互いに銃口を向けあっている」会話シーンをイメージして書きました。先ほどお話したスケッチの際に一番最初に書いたのがこの曲で、その段階では曲の最後の部分に銃声をかぶせていましたが、ゲームでは収録時間の都合があり曲展開を短くまとめる必要がありました。確かにこうした詩的な雰囲気の曲は、従来のケイブタイトルでは中々書く機会がなかったかも。

- 制作は如何だったでしょう。順調でしたでしょうか?または何かやりにくいところなどありましたか?

先のシンセの件もそうですが、いただく指示や要望の「さじ加減」の解釈難度がやや高く、どの曲についても一旦出来たものを聴いていただいた後で解体や改造や調整を行なったため、そこはそれなりの時間を要しました。また、従来タイトルよりも尺(収録時間)に制限がある分、表現したいことをいかにコンパクトに詰めこむか…といった苦労がありました。

- 『三極ジャスティス』のようなタイトルのサウンドを作るうえで、シューティングのサウンドと比べて、どういった違い・共通点があるでしょうか?

基本的に大きな違いはないですね。バトルにはアクションとシューティングの要素を含みますし、サウンドに求められる機能的な役割は変わらないのでは、と。ただ、戦場における陣取りの頭脳戦には 従来なかったSLG的な要素があり、担当曲では頻繁に戦況が移ろいゆく様子を表現しようと努めました。

- 今回の制作で、何か参考になったものとかありますか?(音楽じゃなくても、映画とか本とか、なんでも)

直接なにかの参考にしたわけではありませんが、コミック『この世界の片隅に』、映画『Brother』『オネアミスの翼』、ゲーム『哭牙 KOKUGA』をおさらいしました。まぁ単に好きな作品、というだけではありますが。そうそう、ゲームは『プロギアの嵐』も。

- 開発中のゲームはプレイされたのでしょうか。プレイされてましたら、その感想を教えて下さい。

プレイしました!作曲時の参考用なので単独によるバトルと陣取りのみでしたが、はやく通しで多人数プレイに参戦してみたい!と思いました。

― スマートフォンゲームということで、プレイする環境もいろいろです。電車の中や自宅、外出先。ヘッドフォンで聴いたり、スマホのスピーカーで聴いたり。そういった違いを意識して制作する部分はあるでしょうか?

再生環境がいろいろなので、ある程度は考慮します。例えばスマホ内蔵のスピーカーではどうしても低音が聴こえにくいので、ベースのパートでは低音部だけに頼らない音色作りを心がけたり。ただ、内蔵スピーカー環境ばかり意識しても本末転倒なので、基本的にはイヤフォンをターゲットに調整するケースが一般的なのでは、と考えています。

- 楽曲について、注目してほしいところがあれば、教えてください。

特にココに注目して聴いてほしいというより、あえていうなら通勤通学の車内はともかくおうちでプレイする際はぜひ音量ゼロにせず!サウンドを聴きながらゲームを楽しんでいただければ…と。

― 最後に並木さんのファンの方や、三ジャスを楽しみに待っている皆さまへメッセージを。

ファンの皆さん!ケイブさんの新境地…本気の挑戦状ですよ!いつものように出撃準備を!三勢力のうちどこに所属しようカナー、と今からアレコレ一緒に妄想しつつ来たるべきXデーを待ちましょう。IKDさん井上さん芝村さんらクリエイター陣とともに、本作に参加できて光栄です。もちろんBGMもお楽しみに!!